YUKI YOSHIKAWA

YUKI
YOSHIKAWA

マスタークラス in ジャカルタ・インドネシア
【日本での準備編】

さて、今回から私が去年インドネシアのジャカルタで講師を務めたマスタークラスについてお話していこうと思います。この二日間のマスタークラスでは、サステナビリティに配慮し使い捨てプラスチックゴミであるオアシス(フローラルフォーム)を使わないことをベースにしながら、ウェディングブーケとセンターピース(テーブルアレンジメント)、大型の装花としてフラワーアーチを作成しました。

皆さんインドネシアってどんな国なのかイメージが付きづらいのではないかと思います。私は行ったこともなかったし、何となく発展途上国のイメージがありましたがそれはいい意味で覆されました。
例えば花業界に関して言えば、インドネシアではノーフローラルフォーム(オアシスを使わないこと)への意識が日本より進んでいます。今回のマスタークラスではインドネシア側の主催者からノーフローラルフォームのマスタークラスの講師をしてくれとの依頼でした。残念ながら、日本はノーフローラルフォームへの取り組みに関しては世界的に見ても本当に後進国。この点に関しては日本は悪い意味でのガラパゴスだなというのを切実に感じます。環境に関する意識のレベルが残念ながら世界とかけ離れている。

インドネシアで活躍するウェディングベンダーにも会いましたが、彼ら彼女らトップベンダーたちはかなり優れたセンスを持っています。インドネシアだけでなく、世界に通用するセンスです。思ったのはやはりインドネシアの人々は世界を見据えているのだなということ。たぶん、ここから更に目覚ましい発展を遂げていく国になるのでしょう。

さて、今回はまずそのインドネシアでのマスタークラスの準備編です。

今回のマスタークラスはインドネシアの首都ジャカルタの花の輸入業者 Blooming fields からの依頼でした。その花の輸入会社がジャカルタで主催するマスタークラスの講師として来てくれないかとのこと。わざわざ遠くまでこうして飛行機代やホテル代を負担して呼んでいただけるのはありがたい限りです!呼んでいただけるのはありがたいのですが、私のスケジュールが詰まりに詰まっていて、週末のウェディング装花を終えてジャカルタへ飛び、マスタークラスが終わったその日の夜の飛行機でまた日本に帰ってきて次の週末のウェディング装花の準備をするという死にそうなスケジュールでした。でも数か月間スケジュールがみっちり入っていて、どうしてもその強行突破でないと仕事が受けられない状態で。ちなみにジャカルタでは観光は一切する時間は一切無し。買い物も何もしていません。

マスタークラスの依頼を受けて以来、その花の輸入業者の社長Melania(メラニア)と日々マスタークラスについての打ち合わせの日々が始まりました。彼女Melaniaにとっても、海外の有名フラワーデザイナーを招いて初の大規模なワークショップとのことだったので、ここに掛ける想いはものすごいものがありました。

最近海外のトップフラワーデザイナーが開催する数日間のリトリートワークショップは日本で通常開催されるフラワーレッスンとは全く異なり、ものすごく至れり尽くせりの内容盛りだくさんの内容になっています(その分値段ももちろん遥かに高いです)。今回Melaniaはそんなリトリートマスタークラスの開催を目指していました。もの凄い意気込みは、やり取りをしていても感じました。レッスンのために大きな一流レストランを貸し切り、そこでランチ、フリードリンク、お土産が振舞われ、一人ひとりの席にはカリグラファーが書いたそれぞれの名前の席札が置かれ、有名ファッションデザイナーがデザインしたウェディングドレスをモデルが着て、それぞれの生徒さんが束ねたブーケをモデルが持ったショットをセンスのいいフォトグラファーが撮影し(生徒さんに画像が後日送られます)、レッスンに使用する花器もこのワークショップ用のオーダーメイドで(生徒さんにプレゼント)、草木染めのシルクリボンも一人ひとりにプレゼントされました。撮影のために、ヘアメイクアーティストやジュエリーデザイナーなど、とにかくものすごく多くの人が協賛してくれていました。私は教える立場として忙しすぎて、全く自分で写真を撮る時間が無かったのが本当に残念です。本当は色々と写真を撮れて紹介できればよかったのですが。。とにかく普通のフラワーレッスンとは全く異なる次元なのですが、その辺のコーディネートも全部Melaniaがやってくれていました。従業員を数十人抱える輸入会社なのですが、このマスタークラスは完全に社長のMelania案件でした。

準備に当たっては、レッスンに必要な花材や資材がどれだけインドネシアで揃うのか未知の領域でした。基本的に年中真夏のインドネシアでは国産の花の品種はもの凄く限られるので、大部分(9割以上)は輸入に頼らなければ私のフラワーデザインは成立しない環境です。国産の花は現地の花市場で買えますが、輸入の花は花市場には並んでいないので、Bloomingfieldsのような専門の花輸入業者に予め注文を入れて購入する必要があります。特に私は比較的多種類の花材を使うので、それが一つひとつ輸入で手配できるのかを確認するのがものすごく大変でした。Blooming Fieldsは日本、オランダ、中国、オーストラリアなどから花を輸入しているので、ひたすら各国の花のリストと価格とにらめっこしながら花材を選んでいました。これが結構大変で、もちろん多少の花の英語名はわかるのですが全部はわかりません。なのでリストを見ながらわからない花材は都度都度ネットで調べていました。結構気の遠くなる作業。

私は日本人ですので、日本からの輸入の花を多く発注する予定だったのですが、なんとその時期は日本の10連休のゴールデンウィークが挟まり、花の輸出が出来ないということが間際になってわかりました。もうマスタークラスの日程も差し迫ってきていて、今更日本から輸出できないとなってもそれはものすごく困ってしまうのです。花に多少無理させるのを承知で、ゴールデンウィーク前に日本から輸出してインドネシアのBlooming fieldsの冷蔵庫で一週間ほど保管してもらうことにしました。品質はかなり心配だけど、もうダメ元でやるしかない。色々とイレギュラーが発生していたので、直接日本側の輸出担当者(大森花き)を訪ねて打ち合わせをすることに。

もうスケジュールが本当にギリギリで、朝に大田市場で輸出担当者と打ち合わせをして花材の発注リストを作成し、その日の昼までにインドネシアのBlooming fields にオーダーを流さなければいけないのに、そんな日に限って車のライトを消し忘れたようでバッテリーが上がっていました。もう顔が真っ青。血の気が引きました。なんでこんな大切なときに車のバッテリーが上がっているのか。電車で大田市場まで打ち合わせに行くには確か早朝だったこともあってか、検索したら2時間以上掛かると表示された記憶があります。これはあり得ない。全然間に合わない。
人生初めてロードサービスに電話をして助けてもらいました。思ったより早く駆け付けてくれて、電話してから一時間くらいで車はまた息を吹き返しました。そこから急いで市場へ。打ち合わせの時間にはもちろん遅れます。打ち合わせが遅れると発注締め切りに間に合わなくなります。もう焦りしかない。

急いで大田市場まで行き、大田花きの輸出担当者と打ち合わせ。植物は検疫に関わるので、現在輸出登録されている品種しか輸出できないのです。日本で流通していてもそれが全部輸出できるわけではないのです。花材のリストの中からどれが輸出可能なのか確認していきます。
時期は5月。私のレッスンには枝物が欠かせないのですが、使いたかったハナミズキが輸出不可。リョウブも不可。ついでに私のお気に入りの花オダマキも輸出不可。花材選定の段階でいい枝物が揃わないことに一番頭を抱えましたね。いい枝無しでどうやって私のフラワーデザインを実現させればいいのか?と。もうこれに関してはあるものでやるしかないので諦めました。ちなみに輸出するための品種登録は一か月くらい掛かるって言ってたかな?

とりあえず打ち合わせが終わり急いでアトリエに戻りインドネシアへ送る花材発注リストを作成しました。それと同時に、日本から輸出予定の花材が必ずしも大田市場に入荷するとは限らないので(レアな品種が多い)、それぞれ大田市場に入荷しなかったときのために第二希望、第三希望の品種をリストにして大森花きの輸出担当者に渡しました。

ちょうどこの辺の時期が各国への発注締め切りだったのでものすごく忙しかったですね。例えば日本の卸業者に発注していても全ての花材が揃うわけではないのです。市場に入ってくる入ってこないがあるので。で、リストの中から揃えられなかった花は連絡を貰えるのですが、そうするとそれらの花の代替を検討しないといけないのです。次はオランダへの発注締め切りが今日の〇〇時だからそれまでに代替品種の吟味をして発注リストを作成し、オーストラリアへの締め切りは〇〇時だから…と、とにかく毎日花材発注リストのリバイスと締め切りに追われていました。この頃は本当に殺人的に忙しかったですね。ただでさえウェディング装花が入っているので寝る暇も無いくらいなのに、そこに花材発注が重なっていたので。もう、常に全力疾走。

最終的に日本やオランダ、オーストラリア、中国等各国から計60品種近い花材をマスタークラスのために発注しました。まぁ、マスタークラスはブーケとアレンジ、大型の装花のレッスンをするので花材もたくさん必要ですが、やはり60品種近くあーでもないこーでもないって各国からの輸入リストを見比べながら吟味するのは本当に大変です。相当な時間が掛かります。花材だけでなく資材も準備して欲しいリストを作ってBlooming fieldsに送りました。ちなみに花材も資材も英語名だけでは伝わりづらいものは全て写真も添付して送っています。リスト作成にものすごい時間が掛かります。準備ってほんと大変。

大森花きの輸出担当者が親切な方で、「せっかくインドネシアでワークショップをやるなら是非使ってください!」とのことで和バラやらなんやらサービスで追加して送ってくれました。本当にありがとうございます!

他にも日本にいるときの準備の段階で大変なことは山ほどありました。とにかく私のスケジュールがタイトでワークショップ二日目の夜の飛行機で日本に帰国しないといけなかったので、何としてもこの時間までにレッスンを終わらせなければいけないというのがあり。私は理想的には大型の装花のレッスンには6時間くらい費やしたいのですが、それを約3時間でやってくれという無理難題。「いやー無理でしょー。」と思いつつ、やるしかない。やってみるしかない。

色々と不安は抱えながらもできる限りの準備を日本でして、インドネシアのジャカルタ行きの飛行機に乗り込みました。実は40か国以上行っている私ですがインドネシアは初。バリ島が有名ですよね。あまりリゾート地に興味が無いので今まで行ったことありませんでした。

次回はジャカルタ現地の花市場訪問などをご紹介する予定です!

 

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