YUKI YOSHIKAWA

YUKI
YOSHIKAWA

マスタークラス in ジャカルタ・インドネシア
【フラワーアーチ編】

2019年にインドネシアのジャカルタで開催したマスタークラスについての記事です!

前回までの記事はこちらから

マスタークラス in ジャカルタ・インドネシア【日本での準備編】

マスタークラス in ジャカルタ・インドネシア 【市場編】

マスタークラス in ジャカルタ・インドネシア【センターピース編】

マスタークラス in ジャカルタ・インドネシア【ウェディングブーケ編】

無事に一日目のレッスンを終えましたが、山場は二日目の大型の空間装飾のレッスン。何の空間装飾を教えるかBloomingfieldsのMelaniaと話し合っているときに、なかなか話がまとまりませんでした。大型の空間装飾のレッスンは特殊で通常のブーケやアレンジメントのレッスンのように一人一つ作るのではなく、みんなで協力して一つのフラワーデコレーションを作り上げていきます。

論点は主に教える内容と時間。まず内容ですが、Melaniaはできるだけ参加者全員が手を動かしてレッスンに参加できるようにしたいと考えていました。それは最もな意見で。人数に対して作成する空間装飾が小さいと一人あたりの作業できる分量が減ってしまう。やることがなくて見ているだけになる生徒を無くしたいということです。それは至極ごもっとも。私が通常大型の空間装飾を教えるときは、そのようなことが無いように生徒さんの人数を通常は10人以下に制限していますが、今回は20人近い。
Melaniaは最初空間装飾を2つ作ることを提案していました。アーチ二つとか、アーチとハンギングデコレーションとか。ここでもう一つ時間に関しての問題。私がスケジュールの関係でその日の夜の便で日本に帰らなければいけなかったので、とにかく時間がタイトで。通常は最低でも4時間くらいはレッスンに費やしたいところが3時間くらいしかない。まずそもそも一つ教えるのさえ大変なのに、アーチとハンギングとか二種類も短時間で教えるのはどう考えても不可能だということを説明しました。
できるだけみんなが手を動かして作業できるように、ではアーチ二つはどうか?とのことでしたが、なんかそういう問題でもなく。度重なる話し合いの末、結果的には大きなアーチ一つを全員で作成することにしました。

空間装飾は正直教えるのが難しいレッスンです。内容が難しいというよりも、教え方が難しい。ブーケやアレンジは私がデモをやって説明をし、その後に生徒さんが自分自身の作品を作成するという流れがあります。しかし、空間装飾は私がデモとして一つ丸々創り上げるということは不可能なので、ステップごとに私がデモをしながら説明し、その後に同じ作業を生徒さんにやってもらうという流れで進めています。しかし、各ステップの作業量や内容が異なるので、なかなか全員にすべての作業を経験してもらうことが難しいのです。
例えばステップが1~5まであるとして、一人の生徒さんは1、2、4、5をやったとする。するとこの生徒さんは3をやってない。別の生徒さんは1、3、5をやったとする。そうするとこの生徒さんは2と4をやっていない。大型の空間装飾では皆で協力して作業をするので、自ずと作業を分担する必要があるのです。そこで積極的な生徒さんはどんどん作業をし、そうでない人は見ているだけになるケースが起こりうるということです。実際に参加していないと想像しづらいと思いますが、各自の作業量・内容のコントロールをするのが非常に困難なのです。一人プレーではなくて協力プレーが求められるので、一人ひとりの作業状況を確認しつつ、全体としての作業の進捗状況を確認しなければいけないので。

私が教える際はできるだけ均等に作業を割り振れるようにできる限りの注意をしていますが、同じように世界で大型の装花を教えるフラワーデザイナーやそのワークショップに参加した生徒さんの話を聞いているとこのようなレッスン中の作業内容の偏りは往々にして起こっています。ただ、もうこれはある程度仕方ない。グループでのレッスンということでその分料金が下がっているわけです。
以前に海外のフラワーデザイナーの同様のワークショップに参加した方がレッスン内容に関して非常に残念な思いをしたそうで、私のレッスンはグループレッスンのマスタークラスではなくプライベートレッスンを選んで参加されているケースもあります。もちろん私のグループのマスタークラスではそのような残念な思いをする方が出ないように極力注意を払って教えていますが、やはり自分のペースで最初から最後まできちんと全部自分の手を動かして学びたいという方には、より高額にはなりますがプライベートレッスンで学ぶ方が合っている場合もあります。

このジャカルタのマスタークラスでもどうやって生徒さんに均等に仕事を割り振るかを色々と事前に話し合いました。例えば生徒さんを4個くらいのグループに分けて作業する箇所を割り振るとか。生徒さんのグループ分けは作業していない人を無くすためには有効ですが、やはり学べるステップには偏りが生まれてしまいます。本当に空間装飾をうまく教えるのは難しい。

私が一つ参加者に言えるとしたら、このようなグループのフラワーデコレーションのレッスンに参加するときは「主体的」に参加することが大事だということ。主体的にどんどん作業に加わる。遠慮はこの場合美徳ではありません。どこかに置いて来ましょう。そして、すべての作業ステップを自分の手で行うことはレッスンの性質上不可能なので、自分の作業をしながらも、自分が担当していない作業の様子も目で見て学ぶ。アンテナを全方向に張り巡らせて学ぶ、吸収することが大事です。
私も参加者にできるだけ多くの作業ステップを経験してもらい、手が空いてる人がいないように気を配りますが、人数が多くなったりレッスンの時間に制限があるとどうしても行き届かなくなることはあります。毎回毎回全力ではやってるんですけどね。悩ましいのです。

今回のマスタークラスの場合は生徒さんを二つのグループに分けました。アーチの右側担当のグループと左側担当のグループと。あとはとにかく時間との闘い。全力を尽くすしかない。

そして二日目のレッスンの幕が開けました。

大型の空間装飾では、花を挿す前の土台の骨組みをどうやって作っていくかが一つ大きなポイントです。今回はアーチで土台は既にあるので、それにオアシスを使わずにどうやって保水をしていくのか説明し、その代替の保水の仕組みを作っていくところから始まります。

保水の仕組みを作ったあとは、一日目に学んだデザインのポイントを意識して応用しながら花を挿していきます。

今回Melaniaの「とにかく作業量を増やしたい!」という要望によりバージンロード脇の装花もレッスンに組み込んでいたので、それも作成していきます。「ただでさえ時間がない中でバージンロード装花もか!」とは思いましたが、生徒さんの満足度を高めたいというMelaniaの思いもよくわかるのでとにかく頑張りました。これは私が手早くデモで一つ見本を作成し、その後に数人ごとにグループに分けて作ってもらいました。

 

 

 

みんなで協力して作業をすること数時間、なんとか無事にアーチが出来上がりました!

壮大な美しいフラワーアーチ!これが出来上がったときにやっと「やり遂げた!」と肩の荷が降りました。まだワークショップは終わってないんですが、このフラワーアーチ装花のパートが私もMelaniaも一番気がかりだったので。正直、あれだけ時間に追われながら、かなりの大人数の生徒さんを教えないといけないので美しいアーチになるか不安もあったのですが、仕上がってみたら本当に美しいアーチになりました。

ありきたりの色合わせにはしたく無かったので、ダークな色を取り入れながらもシックで大人っぽくエレガントな色合わせに。個人的にすごく気に入ってる色合わせです。すごく上品で美しい。

もうふんだん花材を使いまくりました。笑 そう、Melaniaがほぼ私の仕入れリスト通りに花材を仕入れてくれたので。高価なライラックをこれでもか!というほど贅沢に入れ込みました。

ダークな枝物・葉物が必要だったのですが中々見つからなく、世界中でどの国からならダーク系の枝物が輸入できるかMelaniaと色々話し合ったのをよく覚えています。ほんと、私の花材に対する細かな拘りに最大限応えようとMelaniaはいつも全力を尽くしてくれていました。そうやってMelaniaの尽力のおかげでここまでの花材が揃いました。

みんなが頑張って作ったバージンロード装花も美しい。画像ではわかりづらいけど、写真で見るよりももっと長い装花です。地面から自然に生えている感じを大事に。

こうやって二日間教えていると、20名近い生徒さんがいるとは言え、個人個人のレベルなどが何となくわかってくるのです。レベルの高い生徒さんはレッスン中も、「Yuki、あそこはここから見ると穴になるから花を足した方がいいよね?」と更に完成度を高めようと動いてくれます。そう、主体性があるのです。今現在のスキルレベルというより、たぶんその人個人の何かを学ぶに当たってのモチベーションや向上心のレベルが高いのだと思います。そういう人は大体他の人より頭一つ抜け出します。そんな方が細かいところまで美しく見えるように最後まで仕上げをしてくれていました。


芍薬とかメインのきれいな花を挿している方がやってて楽しいのはわかります。ただ、全体を美しく見せれるかは、細部の地味なところをいかにきれいに見せれるかに掛かっています。細部の小さい美の積み重ねで全体の美しさが決まるのです。

終わった後はみんなで記念撮影!生徒さんみんなとBloomingfieldsスタッフ一同、みんなの頑張りの結晶です!

面白いなぁと思うのが、こうやって写真を撮る時も、積極的な人は「我先に!」と私の隣のポジションを陣取ろうとするんですよね。笑 日本人はどっちかというと遠慮しがちですもんね。

日本はガラパゴスなのでかなりぬるま湯です。良くも悪くも。日本で花屋として仕事をしている分には競合相手も日本人なので特に影響はないのですが、海外はもっと積極的に高い向上心を持って学ぶ人が多いのでレベルがどんどん上がっていっている状況です。そうやって日本の花業界は世界的に見て取り残されて行っている。花業界と一括りにしてはダメですね。海外からも日本の花・生産者は評価されている。生け花も今世界的な評価が上がってきている。東誠さんとか世界的に評価される人も若干いますが、例えばウェディング業界の花なんかは日本の評価は世界的に見て驚くほど低い。それは日本のウェディング業界が会場を最初に決めると担当する花屋が自ずと決まっていて競争が少なく閉鎖的なのも一因なのかもしれない。美しい花を手掛ける、提案できるフローリストが少なすぎる。
海外の著名なフラワーデザイナーから「日本のフラワーデザインはなんであんなダサいの?」と言われると悲しいし悔しい。おそらくそう思われていると知らない日本の花屋が大多数。私も昔はそんなこと知らなかったし。

みんな目を覚ましてもっと美しい花を手掛けようよ!と思う。美しい花作ってる方が楽しいよ!

脱線してしまいましたが、フラワーアーチのレッスンは以上です!二日目は続いて私の壺活け(大型のフラワーアレンジメント)のデモンストレーションがあったので、次回はそれについてです!

 

 

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