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花市場 in 台湾・台北

去年の6月に2週間弾丸で海外周遊に行きましたので、しばらくそれについてアップしていきます!
まず一か国目は台湾。台湾には知り合いの花屋仲間が数人いるので、彼女たちにも会って来ました。

一人目がJardin d’hiverのYutin(ユーティン)。今、彼女のウェブサイトのリンクを貼るのに検索したら、facebookで14,000人近くフォロワーがいました!私、全然facebookやらないのでわからないのですが、かなり多い人数なのではないかと。台湾ではfacebookもまだまだメジャーなのかな?私自身facebookをまったくやらなくなって3~4年くらい経っている気がするので、今日本でfacebookがとの程度利用されていてどの程度利用価値があるのかよくわかりません。

Yutinと私はパリで出会いました。私が働いていたパリのトップフローリスト「ステファン・シャペル」に研修生として働きに来てたのがYutinでした。彼女はその時点で私よりもフランス滞在歴が短かったにも関わらず、かなりペラペラにフランス語をしゃべれていたのでとっても羨ましかったのを覚えています。言語を学ぶ才能があるのでしょうね。

Yutinはフランスに来る前から自分のお店を持っていて、いったんお店をクローズしてフランスに花を学びに来ていました。フランスに来る以前からある程度台湾で活躍していましたが、渡仏して台湾に帰ってからは更に手広く仕事を手掛けていてかなり活躍している模様。こうやって知り合いがどんどん頑張っているのを見るとほんとにいい刺激をもらえます!私も頑張らないとなぁと。

今回台湾でYutinに花市場に連れて行ってもらいましたのでそのレポです!
相変わらず、連れて行ってもらっているので具体的な場所などはわかりません。有益な情報載ってないブログですみません。。花市場へはスクーターに二人乗りして向かいました。道が混んでいるので原付で行った方が早いみたいで。持ち帰れない量を買うときはお店まで花を配達してもらうそうです。
さて、実は私原付だったりバイクだったりの後部座席に乗ったことって一回も無かったんですよね。なぜかそんな縁がなくここまで来ました。なのでYutinに「後ろに乗って!」と言われたときはちょっとドキドキしました。まさか初の二人乗りが海外でになるとは。ちょっとドキドキしながら後ろに跨りました。

そして辿り着いたのがこちらの花市場!

たくさんお店が連なっています。仲卸通りの広さは、日本で一番大きい大田花きより広いんじゃないかな?お店の数は確実に台北の市場の方が多かったです。お花を買うのに特に登録や資格などは必要ないので誰でも購入できます。

ただ、誰でも花を購入できる状態では一般の人とプロの人の住み分けができないので、世界的な流れから言って市場が整備されていくと一般の人は市場での花の購入ができなくなる方向ではあります。まだまだ世界には登録制じゃない花市場がたくさんありあすけどね。許可制じゃない方が大多数だと思います。

確か10時くらいと遅めの時間に行ったので、おそらく人通りはピーク時より少な目かな?

花の種類は割と豊富に揃っていました!想像してたより全然豊富。

 

 

メインの花じゃなくて、副花材に当たるような花も豊富に揃ってる。

6月は日本ではもうチューリップはないけど、台湾にはまだまだありました!オランダからの輸入かな?

 

私の好きなセルリアも。結構状態も良さそうだし。

 

ほんと、大体の花は揃ってます。

6月だとアジサイも時期になってきますね。

アンティークカラーの染めカスミソウ。

 

私は普段このような人工的な色ではなくて自然のあるがままの色を大切にしたいので染め物花材はあまり使いませんが、この渋さはいい色。

受粉するために花を咲かせる植物の特性を考えると、自然に咲く花はやはり華やかな色が圧倒的に多いのでしょう。くすみ系って育種家が色々交配させて生み出しているので。なっかなかくすみ系は交配から出ないようで。

そういう自然界に無い花の色を「ステキ」とか「美しい」と思ってしまうのって、少なからず無いものねだりというか珍しいから、という側面もあると思うんですよね。もちろん、純粋にその色が美しいと思う場合もありますけど。

台北の市場には何でも豊富に揃っているように見えても、やはりちょっと特殊な花材もあるようで。
その一つがスモークツリー。6月だとスモークツリーは日本では最盛期で市場ではわんさか溢れていますが、台湾は事情が違うようで。

Yutinがスモークツリーを買いたいと仲卸の人と話していると、スタッフが大切そうにスモークツリーを奥から出してきてくれていました。

台北のスモークツリーは日本からの輸入だそうです。ローカルでも育てられるんじゃないか?と思いますが、何らかの色んな事情があるのでしょう。そしてそのお値段がもんのすごく高い!一本で仕入れ値が3,000円くらい!日本の6倍くらい?なんでそんなに高いのか聞いてみたら、やはり輸入の際の植物検疫に色々手間が掛かるみたいで。スモークツリーのモクモクにつている細かい花粉だかなんかを全部取り除かないと輸入ができないとかそんなことを言っていました(違ったらすみません)。

まぁとにかく、輸入するのにとてつもなく手間が掛かるそうで。本当に貴重な花だそうです。ちらみにスモークツリーは韓国でもめっちゃ高いです。日本は世界的に見るとかなり安い部類。

やっぱり国外の仕事をしていると相対的な日本の花の価値が見えてくるので色々と気づかされます。日本では普通に安い雪柳なんかが海外では高すぎて使えない花材だったり。

こちらは葉物・枝物やさん。この辺はおそらくローカルな花材じゃないかな?

 

こういう動きや風情が感じられる花材が好み。

そして別の建物では観葉植物が売っていました。資材も確かこっちで売ってたかな?

 

面白いなぁと思ったのがこのアレンジメントのようなもの!至る所で売ってます。

何かお供えに近い意味合いで家やお店などに飾るみたいですね。一つ作るの大変そう!こういう手工芸のような細かいアレンジや細工は東南アジアで特に栄えている印象があります。手先が器用なんでしょうね。

以上、台北の花市場でした!

まだまだ台北で花をめぐるあれこれをやってきましたので続きをお楽しみに!

 

 

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【10月の季節花クラス】
レッスンスケジュールのご案内

もう9月だというのが信じられないくらいあっという間に夏が過ぎ去りました。しかも、既に9月の後半だという!信じられない…。虫の鳴く音で秋を感じます。

さて、次回10月の季節花クラスのご案内です。季節花クラスは単発で受講可能な、初心者や趣味で花を学んでいる方向けの旬の花を楽しむクラスですので、皆さまお気軽にご参加ください。

10月の季節花クラス詳細は下記の通りです!


・ダリアを使ったガラス花器への投げ入れ

※上の画像はイメージで当日の花材や花器は異なります。

 

「投げ入れって何?」という方もいらっしゃるかと思います。簡単に言うと、花瓶に直接花をいけて作成するタイプのアレンジメントです。
YUKI YOSHIKAWAでは環境に配慮し使い捨てプラスチックゴミになるフローラルフォーム(オアシス、給水スポンジ)の使用を極力減らしておりますので、フローラルフォームを使うアレンジメントは教えておりません。投げ入れはフローラルフォームを使用せずにアレンジメントを作成する一つの方です。花瓶への投げ入れの技術を学ぶと、ご自宅でお手元にある花をいける際にも役立ちます。

そして10月はダリアの旬です。現在ダリアは通年で出回っていますが、元々繊細で持ちがいい花ではないのでやはり一番旬の時期に楽しむのが一番です。今回の投げ入れではそんな華やかなダリアを使った投げ入れを作成します。

 

日時 : ※締め切りました
10月9日(金)
14:00~16:00前後(満席)

10日(土)
10:00~12:00前後(満席)
13:30~15:30前後(空席1)

11日(日)
10:00~12:00前後
13:30~15:30前後

料金 :
8,000円(花材、花器、資材込)
事前振り込みをお願いしております。
ご予約いただいた方に口座詳細をご連絡いたします。

場所 : 成城学園前駅から徒歩13分(バスもあります)

定員 : 4名(3密に配慮し、通常より定員を減らしております)

持ち物 : お持ち帰り用の袋
※下記の画像のような底に厚紙の入ったビニール(プラスチック)製で、30センチ四方のサイズくらいの袋をお持ちください。
お持ちでない方は100円でご購入いただけます。

シャルマンバッグMS #1 ホワイト 20枚/GF008013-001

 

【注意事項】
コロナ対策として、3密を避けるために通常よりレッスンの定員を減らし、レッスン後のティータイムを一時廃止しております。皆さまにはマスク着用でのご参加をお願いすると共に、消毒液の設置等の対策をいたします。
皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 

※キャンセルは10/2(金)までは無料です。期日を過ぎてのキャンセルは仕入れの都合上、全額をご負担いただいて花材、またはこちらで束ねたものをお送りいたします。(送料別途)

お申込みはコンタクトフォーム、または info@yukiyoshikawa.com まで下記をお知らせください。

希望日時:
お名前:
ご住所:
お電話番号:

※過去半年以内にレッスンにいらしたことがありご連絡先等の変更のない方は、希望日時のご連絡のみで結構です。
※お申込み後3日経ってもこちらからご連絡がない場合は、サーバーの問題によりメールが届いていない可能性がございますので、再度受信設定などをご確認の上ご連絡ください。


初心者の方大歓迎です!「本当に初めてですが、大丈夫ですか?」というお問合せを多々いただきますが、大丈夫です!同じような方が今までもたくさんいらっしゃってます。本当の初歩の初歩から教えます。

投げ入れのレッスンを季節花クラスでするのは初めてになります!非常にレアなレッスンですので、興味のある方は是非お見逃しなく!

 

 

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9月の季節花クラスレポ【秋色のブーケ】

この間まで熱中症の危険性を感じる日々が続いていたのが嘘かのように、ここ最近はめっきり涼しくなり過ごしやすくなりましたね。夏の酷暑の8月の間は季節花クラスをお休みしていましたので、久しぶりの季節花クラスの開催になりました。皆さんお元気そうで良かったです!

9月に入ると市場には秋を感じる花材が既にたくさん出回るようになりますので、そんな秋を感じるブーケを束ねました。

私が束ねたデモブーケがこちら。秋の紅葉花材は赤や黄色の色味を帯びて来ます。今回は赤みを帯びたトーンをベースにした色合わせにしました。

 

皆さんは秋というと何の花を思い浮かべますか?私はやはりコスモスは欠かせません。しっかりとしたゴージャスな花よりは可憐な儚げな花が好きなので、コスモスの繊細でどこか頼りなげな茎のラインや軽やかな花びらが好きです。

こちらは別の回に束ねたデモブーケ。全く同じ花材で束ねてますが、また違った表情になっています。

 

季節花クラスで束ねるブーケは普通にご自宅に飾る用に四方見(360度)で作りますが、それでも眺める場所や角度によって色んな景色が楽しめるようにしています。ちょうどお庭を楽しむかのように。色んな発見が詰まっています。

それではご参加いただいた生徒さんの作品をご紹介していきます!

 

季節花クラスは一回から単発でご参加いただけますが、続けてご参加いただいている方はその方の束ね方の癖もある程度こちらで把握していますので、その元々の癖を修正してより上手く束ねられるように指導もしています。やはり束ね方の改善や上達のためにはある程度継続的な練習が必要だと思います。

もし継続的にいらっしゃってる方で「ここが自分としては課題だから改善したい!」という所がある方は是非レッスン前に伝えてくださいね!そこ注意してレッスン中に見ますので。

 

基本的に季節花クラスは花に触れて楽しんでもらうことを目的としていますので、それほど手直しはしていません。それぞれ個性のあるブーケでいいと思いますので。楽しむのが一番の上達の秘訣ですし。私も純粋に花を楽しんでいて、その延長線上に今がありますので。

 

用意した花材でも人によってどの花をどう活かしたいかが異なるので仕上がりはみんなそれぞれ。同じ花材でも全然仕上がりが違うので見ていて面白いです。

 

「Yukiさんのレッスンに来る人はプロの方が多いから参加するのが不安だった」と言う方もやはりいらっしゃいます。プライベートレッスンはプロの方がほとんどですが、季節花クラスは趣味で学んでいる方とプロの方と半々くらいでしょうか。基本的にこのクラスでは初心者のレベルに合わせてレッスンしていますので本当に初心者でも大丈夫です!

 

そう、やっと涼しくなってきて庭仕事ができるようになったので庭仕事をしたいのですが、如何せんこの異常な梅雨の長雨と酷暑で育てていたお花がボロボロになってしまい、なかなか重い腰が上がりません。新しい花を植える前に、まず枯れてしまったお花を片付けるところからやらないといけないので。枯れてしまっても、「まだ生き返るんじゃないか!」と微かな望みを持ってしばし放置してしまいます。。

 

そう、梅雨の長雨や酷暑の影響で今年は野菜がとても値上がりしていましたね!レタスなんてしばらく買えたもんじゃなかったです。野菜も花も同じ農作物なので、ハウス栽培しているものが多いにせよやはり一部花の生産にも影響が出ているようです。特に仕事でどうしても必要な花材に影響が出ると頭が痛いです。もうそればっかりはどうしようも無いのですが。

 

もう今年はコロナだけでも大変なので長雨や酷暑で色々と参りまして、せめて秋の台風シーズンは穏やかに過ぎ去って欲しいと願ってます。年々秋の台風が酷くなってる気がして。ほんとに何もないことの当たり前の幸せのありがたさを身に染みて感じますね。

 

 

 

次回10月の季節花クラスは10月9日(金)~11日(日)です。近日中に告知出しますのでもう少々お待ちくださいね!

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

 

 

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LTBコラボワークショップレポ

2019年6月に開催した、オーストラリア・シドニーで活躍するイベント/ウェディングフラワースタジオ”Lime Tree Bower“のHelenとのコラボワークショップのレポです。Helenとのコラボは2018年に続き二回目でしたね!
写真があまり残っていないので、サックリご紹介していきます。

二日間のワークショップで、一日目はHelenがテーブルアレンジメントとデコレーションを、私がウェディングブーケのレッスンを行いました。

Helenが教えたテーブルアレンジとデコレーションはこちら。

いくつかの大小のアレンジメントを組み合わせてリズミカルに。布や果物を組み合わせたデザインは海外で特に人気の高いテーブルデコレーションです。色合いもカラフルに。

 

そして私のデモウェディングブーケがこちら。リョウブの軽やかな動きを活かして。

割とカラフルなブーケですが、色の配置などはおそらく考えて配置していたのだろうと思います(一年以上前の自分の意図を理解するのは大変。。)。色をごちゃ混ぜにするのではなく、グルーピングや色の繋がりを意識して。例えば中央付近に配置した淡いパープルとイエローのデルフィニウムはその隣のパープルのバラとイエローのジニアを繋げる働きをしています。色を混ぜるときはそれが全体としてちぐはぐにならず一つにきれにまとまるように、配置には特に気を使う必要があります。

デルフィニウムって一般的なのはブルーのスプレー咲きかと思いますが、ときどきハッとするほど美しい色合いのものもあって、そういうデルフィニウムを見かけると思わず魔力に勝てずに仕入れてしまいます。
このデルフィなんかも花びらにくすんだブルーになんとも言えないピンク味が載って、芯はクリーム色で幻想的な美しさ。

薄い花びらが重なり合ってよりはかなげに見えますね。何となく七夕を想起します。

そして二日目がフラワーデコレーションのレッスン。使い捨てプラスチックゴミのフローラルフォームを使わずに作成していきます。蔦が絡まりながら壁を張って上っていくイメージ。デザインや色合わせはHelenです。

 

 

以上、Helenとのコラボワークショップレポでした!

海外のフローリストとコラボする度にお互いの近況や仕事の話など色々するのですが、Helenはとってもたくましい。バリバリ仕事をしていっているのを見ると、私も頑張らないとなぁと刺激を受けるのです。ほんと、海外のトップフラワーデザイナーたちはみんなとってもいい意味で野心家。花業界に限らずですけどね。
昔商社で働いていたときも海外の人と商談する度に、私には圧倒的にこのアグレッシブさが欠けてるなぁと痛感しました。日本で普通に生活している分にはそれを感じないのですが、世界的に見ると私は本当にこのアグレッシブさに欠けている。みんなもっと高みを目指してバリバリ頑張ってどんどん行動していくんですよね。こうやってのんきにしていると、きっと日本は世界から取り残されていってしまうのだろうなぁと危機感を感じます。
海外のフラワーデザイナーや各分野で活躍するプロフェッショナルに会うたびにいい刺激をいつももらってます。

以上、Lime Tree Bowerコラボワークショップレポでした!

 

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インターナショナルウェディングスタイルシュート

皆さん「Styled shoot」ってご存知でしょうか?日本ではスタイルシュートと読まれることがあるようで(正しい読み方ではないけど。Style shoot を発音してるのかな?)。日本語で一番近い意味合いは「作品撮り」でしょうか。

世界のウェディング業界ではよくStyled shoot(便宜上SSと省略記載します)を行い、モックウェディング(疑似ウェディング)の写真を撮影します。通常の仕事ではクライアントの要望に合わせてそれぞれのサービスを提供しますので、必ずしも自身のクリエイティビティを最大限に発揮できるわけではありません。SSでは、そんな普段自由に発揮できない各々のクリエイティビティを最大限に発揮して美しいポートフォリオを作り上げる場なのです。

そして、日本での「作品撮り」と異なる点が、世界的に有名なウェディングマガジンやブログなどにそれらの写真を掲載してもらうこと(有料広告ではなくパブリシティとして、記事で掲載してもらう)を目標として行われることが多いということです。Style Me Prettyような世界的に著名なブログや雑誌等に掲載してもらうことを狙います。世界のウェディング業界ではこれらのメディアの影響力がものすごく大きいのです。このような著名なメディアには世界中のウェディング関係者が掲載を希望して写真を送るので、掲載してもらうのはなかなか難しいのですが。

通常SSはフォトグラファーまたはプランナーの発案で行われることが大多数です。彼ら、彼女たちが「こんなコンセプトで撮影をしたい!」と決めて、その撮影に参加するベンダー(ドレス、ヘアメイク、モデル、フローリスト、アクセサリー等)を集めます。

SSを行うために掛かる費用についてですが、これは少し特殊です。基本的に参加ベンダーは無償で参加します。報酬は発生しません。そのリターンとしてフォトグラファーが撮影した美しい写真を受け取ります。ただ、各参加ベンダーが無償で提供するサービス以外にも諸々の諸経費(撮影の場所代等)が発生します。それらは通常発起人であるフォトグラファーやプランナーが負担します。発案者のやりたいコンセプトに合わせて他の参加ベンダーが各々のクリエイティビティを発揮しながらサービスを提供するので、一番に撮影でベネフィットがあるのは発案者であり、費用を負担するのが通例となっています。

ここでフローリストの立場でのお話です。フローリストも無償で参加しなければいけないのでしょうか?どのベンダーも無償で仕事をするのはわかりますが、フローリストには花材代という莫大な費用が発生します。決して安くありません。
これはケースバイケースであり人によると思いますが、私は花材代を発案者が負担してくれるStyled shootの依頼しか受けていません。花材代を負担しないといけない場合、その対価としてのリターンが釣り合わないと私は感じるからです。ただ、撮影のコンセプトや他の参加ベンダーが魅力的でそこに価値を感じるなら、自分で花材費を負担して参加するのもアリかと思います。あくまで自分がそのSSにどれだけの価値を感じるかで費用負担や参加するかしないか決めていいと思います。
日本での「作品撮り」の場合は花の費用負担ってどうなっているのでしょう。通例、誰が負担するのでしょうか。私は日本での純粋な「作品撮り」の経験がないのでわからないのですが。

そして、今回は私の知る限り日本で初の規模の大きいインターナショナルなベンダーが参加するStyled shootでした。このSSの発案者はシドニーで活躍するスタイリスト、Lilelements のMarie(マリー)。彼女から日本でSSがしたいので一緒にやらないかと依頼が来ました。その時、非常に興奮したのをよく覚えています。「SSの文化が希薄な日本で、初の国際的なSSを一緒に成功させよう!」と意気投合しました。フォトグラファーはフィリピンのair balloon project。ライトでエアリーなウェディングフォトを得意としているフォトグラファーたちです。

そしてマリーと私でSSに向けてコンセプトやカラーパレットの議論、どのベンダーを撮影に誘うかなど色々と相談する日々が始まりました。私は一参加ベンダーというよりも、日本で色んなものを手配したり準備したりとマリーの代わりに日本で動いていたので、割とポジション的に発起人側に近かったかもしれません。このSSでは費用負担をマリーとフォトグラファーでしていました。私は費用負担はしていないですけど、他の日本側での諸々の準備関連の仕事をしていました。

たいていは発案者が決めたコンセプトやカラーパレットに沿って花を作ることが多いですが、マリーは私にカラーパレットについてよく相談してくれました。マリー自身も多少フラワーデザインを手掛けるので、花には旬があり、時期によってできるカラーパレット、難しいカラーパレットがあることを理解しているからだと思います。花に多少理解がある人との仕事はやりやすくて助かります。
花に理解が無い人は、花材の費用負担もせずに無理なカラーパレットを押し付けてきますからね。私は実際の仕事でも、花を理解せず無理難題を押し付けてくる人の依頼は断っています。どんなにお金になってもクライアントも私もハッピーにならない。できるだけ余計なストレスを排除して花をいけたいのです。心模様が花に映し出されるので。負の感情を持って花をいけたら絶対にいいものはできない。

それでは今回のSSの画像をご紹介していきます!マリーが作ったコンセプトが”Ethreal Wabi Sabi”。「優美なわびさび」という感じでしょうか。マリーは日本が大好きなので、日本の文化を取り入れたコンセプトで。あまり西洋のように豪華絢爛な感じではなくどちらかというとシンプルなデコレーションです。

たくさん写真はあるのですが、花に関するところだけピックアップして紹介していきますね。まずはブーケから。

マリーが作成したカラーパレットが、濃いグリーンに臙脂、ペールピンク、ベージュ、ホワイト、そして差し色にブルーといった展開でした。普段あまり濃いグリーンは好んでは使わないので一つそれはチャレンジでした。

ブーケの形状はワイド気味でエアリーに束ねています。この撮影は去年の5月末でしたが、当時の私は多種多様な花材を織り交ぜた複雑なブーケを好んで束ねていたので、当時の私比ではかなり花材の種類も少なく絞りシンプル目なブーケではあります。

 

モデルさんがロシアの人だったかな?白髪(銀髪?)が美しくファンタジーの世界にいそうな方でした。

ドレスはたくさんの羽が折り重なっているように見える斬新でモダンなデザイン。日本のデザイナーさんのドレスです。

海外ウェディングでは、このような明るめのエアリーでフィルム調の写真が人気です。日本のウェディングの写真はまたテイストが違うんですよね。もっとデジタル寄り。私はフィルム調の雰囲気や質感の方がより好み。

海外のウェディングではよくフラットレイといい、アイテムを平置きで配置して上から写真を撮ります。ウェディングでは様々な拘りのアイテムがあるので、それを美しく写真に収めるのです。

これなんか特にわびさびを感じる写真ですよね。カリグラファーの方が和のテイストを盛り込んでペーパーアイテムを作成しました。
海外のウェディングではフォトグラファーやスタイリストのような人がアイテムをこのように並べて写真を撮ります。日本だと滅多にやっているのを見かけませんが。フラットレイも奥が深く、バランス良くセンス良く並べるには色々とコツがあります。ただ並べればいいわけではないので。

 

続いてセレモニー装花。挙式スペースの装花のイメージです。こちらはシンプルにスモークツリーのみで仕上げています。使い捨てプラスチックゴミになるフローラルフォームを使わずに。装花周りのスタイリングはマリーです。

 

よく見るとキャンドルの足元にはチョコンと対のダルマがいます。縁起物ですね!海外から見た日本の見え方って日本人の感覚とやっぱり違うなぁと感じます。やっぱり海外の人が日本的なものというと神社とか着物とかそういったものになってきます。以前パリに住んでいた身としては、一般的に日本人が見る「パリ」もやはりどこかフィルターが掛かっているなぁとは感じます。どこの国でもありますよね。

わびさびが感じられるようにスモークツリーのラインや抜け感を大事にして、葉っぱは極力落としました。

続いてテーブル装花。テーブル装花もごくシンプルに一輪挿しにいけた花を配置して。

 

食器は和食器を使用しました。

 

以上、今回のStyled shootからのピックアップ画像でした!最後に参加ベンダー一同で集合写真。

国境を越えて多彩なプロフェッショナルが集まっての撮影でした。発案から撮影まで約半年。準備に膨大な時間と労力を費やしましたが、日本で初の(私の知る限りね)国際的なStyled shootを成功させるために頑張りました。日本のウェディング業界が更に進化していくための小さな一歩だったと思っています。

このSSは”hey WEDDING LADY”という海外のメディアで取り上げられました。

https://heyweddinglady.com/wabi-sabi-wedding-ideas-embrace-beauty-imperfection/

 

海外のウェディング業界でSSが頻繁に行われる一方日本ではあまり行われない要因の一つとして、ウェディング業界の在り方が関わっているように思います。日本はやはり以前からの業界の慣習が強く、挙式をするときにまず最初に会場を決めてドレスや花屋などは基本的に提携先のものを利用するケースがほとんどだと思います。ドレスは持ち込み可も増えているようですが、花はほとんどの会場が外部持ち込みは不可にしていると思います。
一方海外は会場やドレス屋、花屋などが並列的に独立しています。会場の下請けとしてのドレス屋、花屋があるという枠組みでは無いのです。そして新婦がそれぞれ自由に好みの場所やドレス、花屋を選ぶことができるのです。個人的にはこの海外の慣習の方があるべき姿だと思います。日本の慣習は業界の権益を守るために構築されたものです。決してカップルがステキなウェディングを挙げるためのものではありません。そうやって守りに入り、自由競争がない時代遅れな業界は取り残されていくばかりです。だからいつまでも日本のウェディングがダサいのです。

閉鎖的な業界に未来はありません。ウェディングベンダーも新郎新婦も双方がwin-winになる、未来ある形態に日本のウェディング業界も進化していくことを願っています!

 

 

ご協力いただいたベンダーの皆さんありがとうございました!

Stylist – lilelements (@marie_lilelements) 
Photographers – Airballoon Project Photography (@airballoonproject) 
Calligraphy – Maki Shimano Calligraphy (@mscalligraphy) 
Florist – Yuki Yoshikawa (@yuki__yoshikawa) 
Fashion + Accessories – Mutin (@mutin_dresstailor) 
Makeup/Hair – Anna Oliemans (@annaoliemansmakeup) 
Pottery – Hirokazu Furutani (@hirokazu_furutani)
Ring Box + Silk Ribbons – Artiste Saku (@artiste.saku) 
Model – Regina (@rigichan)

※上記はインスタグラムでのアカウントです。

 

 

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